2020年6月16日 衆議院 安全保障委員会 屋良朝博

■米軍再編、グアム移転などについて質問

質問内容についての要約

米軍再編はいつから始まり、何人がグアムなどへ移転するのか質問。

既に日本政府はグアムでの受入れ体制を整えるための施設整備に予算を投入しているが、日本政府がこれまでに投入した予算が幾らで、どこに使われたか、今後総額はどのぐらいを想定しているかの現状について質問。

これから十何年かかるかわからない辺野古の移転とグアム移転というのはまだリンクしている認識なのか大臣に質問。

議事録

201-衆-安全保障委員会-5号 令和2年6月16日 

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○屋良委員 立国社の屋良朝博でございます。よろしくお願いします。
 きのう夕方のニュース、本当にびっくりしました。ブースターの落下地点の予測が難しいし、開発が、時間がかかるし予算もかかると。これはすごく合理的な判断をなさったのだなというふうに感じ入りまして、なぜびっくりしたかというと、ちょっと話させていただきたいんですけれども。
 日本の防衛政策というか、何か装備品を新しく配備するときとかというのは、どれほどの合理的な判断がなされているのかとずっと疑問に思っておりました。今回も、ブースターの落下地点が果たして特定できるかどうかということの予測を、イージス・アショアを配備する前にある程度予測ができなかったのかなと。重要な点だと私は思っておりまして、これは将来的に検証されるかもしれませんけれども、そういったことを今思いとどまって、踏みとどまって、それを事前に、合理性を判断されたというのはすごいことだなと思っております。
 思い起こせば、例えば、日本がP3Cを百機導入したときも、そんなにすごい数、要るのか、百機を日本周辺で飛ばすなんて、P3Cの対潜哨戒能力の密度というのは世界一だぞというふうなことを言われたりしたり。あと、ドローン、無人機、これをわざわざ一世代おくれたやつを導入するとか。F35も、これはネットで調べると、欠陥機だというふうな指摘がたくさんございます。それから、オスプレイについても、輸送能力でいえば、陸上自衛隊が持っているバートルの方がずっと人数は多く運べるわけでありまして、しかも、その配備先、九州以南の、南西諸島の防衛のためにとかといううたい文句があるにもかかわらず、九州で配備地となる、想定していたところで住民の反対があったので、木更津、千葉に持っていくとか。
 どうも、その合理性を判断することの、そうであろうなという予測と、実際に行われている政策との乖離が多くあった中で、今回のイージス・アショアの判断というのが、実に、異例というか、これまでにない、私は英断だったんじゃないかなというふうに思っております。
 そういったことを思いながら、私、地元の沖縄の海兵隊の集中配備の合理性とかというのを思ってみたりするんですけれども、米軍再編が決まったとき、二〇

〇五年、二〇〇六年の配置転換は、グアムに司令部と補給部隊を置くということだったんですね。沖縄に実戦部隊は残しましょうというのが最初の合意だった。ところが、二〇一二年に突如それが入れかわっちゃった。何でそうなったのか、全く僕らはわからないんですよ。その間、合理的な説明があったかというと、ほとんどない。現状、日米でこう決まりましたからこうしてねということだったんですね。
 しかも、もっと言えば、海兵隊の千五百人実戦部隊を山口県の岩国に持っていくよというアメリカ側から提案があったんだけれども、地元の反対があって、それはできませんということになっちゃう。
 安全保障上とか、抑止力を維持するためにこれが唯一の選択肢なんだとかという、これまでの海兵隊の沖縄配備にかかわる政府の説明というのが、どうも、どこまで合理的な判断あるいは根拠を持った議論なのかというのがさっぱりわからないということなんですね。
 それを一つ指摘させていただいた上で、その予算についてですけれども、普天間の移設にかかわる辺野古の埋立ては九千三百億円、当初予算の三倍。そして、かかる年数は十二年、当初計画の倍。これは、イージス・アショアと比べると更に合理性が問われるし、政治的な目標、目的が達成できるかどうかというのが実に曖昧な事業になってしまっているんじゃないのかというふうな気がしておりまして、まさにここでも合理的な判断を実はやっていただきたいんですけれども。
 前回、実は予算委員会で私、米軍の再編が行われた後、海兵隊の地上戦闘兵力は八百人に縮小されますよと何度か繰り返し発言させていただいたときに、河野大臣が、詳細な移転計画は、今後、日米間で協議されるものであって、八百人とはまだ決まっていませんよというふうな答弁をいただいたんです。
 そこで、ちょっと質問ですが、米軍再編はいつから始まって、今、計画ではハワイとかオーストラリアとかと挙がっていますけれども、何人がグアムなどへ移転するのかというのを、数字をちょっと教えてください。

○河野国務大臣 約九千人の米海兵隊の要員の沖縄から日本国外への移転、これとともに、そのうちの四千人のアメリカ海兵隊のグアム移転が二〇二〇年代前半に移転開始されるということを日米間で確認してきております。

○屋良委員 グアムを含めていろんな場所へ移転するということがこれまで報じられてきておりますけれども、既に日本政府はグアムでの受入れ体制を整えるための施設整備に予算を投入しているということですけれども、日本政府がこれまでに投入した予算が幾らで、どんなところに使われたかということ、それから、これから総額どのぐらいを想定した、これはもう日米合意のとおりだと思いますけれども、現状を確認させてください。

○河野国務大臣 沖縄の米海兵隊のグアム移転事業に係る日本側の資金提供に関しましては、二〇一三年改定議定書で改正されましたグアム協定第一条に基づきまして、二〇〇八年アメリカ会計年度価格で二十八億ドルを上限とするということになっております。
 これまで約二十二億二千万ドル、二千二百九十八億円をアメリカ側に提供しておりますが、この二十二・二億ドルというのは、グアム協定で定めています二〇

〇八年アメリカ会計年度価格でいえば十八・九億ドル、二十八億ドルに対しまして約六七%がこれまで提供されております。
 これらの資金につきましては、沖縄から移転する主要部隊の庁舎の施設に加えまして、教場、隊舎、生活関連施設の一部及びこれらの施設整備の前提となる基盤整備事業に用いられてきたというふうに認識をしております。

○屋良委員 もう六七%も支出されているということで、結構進んでいるんだなと、現状は。それは、二〇年代の初めに移転が開始されるということで、むしろもうちょっとキャッチアップしないといけないペースなのかなというようなことも今感じました。
 よく米軍再編に絡んで、アメリカ海兵隊のグアム移転と普天間の辺野古移転、移設というのはリンクしているんだよとか、これはリンクしていないんだよという議論があります。大臣は、この二つの事業というのは切り離されたというふうに認識されているのか、あるいは、これから十何年かかるかわからない辺野古の移転とグアム移転というのはまだリンクしているものだというふうに認識しているのか、大臣の御認識をお願いします。

○茂木国務大臣 まず、二〇〇六年に日米合意をされました再編の実施のための日米ロードマップにおきましては、米海兵隊のグアム移転、そして嘉手納以南の土地の返還、さらに普天間飛行場の辺野古移設の三つをパッケージとして推進することとされました。
 その後、政権交代もあり、御案内のとおり、国外、最低でも県外、そして最終的にはやはり辺野古、こういった紆余曲折を経て、二〇一二年四月の日米2プラス2共同発表におきまして、二〇〇六年の再編のロードマップに示した計画を調整し、在沖縄海兵隊のグアム移転及び嘉手納以南の土地の返還の双方を普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すこととするとともに、再編後の沖縄及びグアムにおける海兵隊の部隊構成を調整することとしたと承知をいたしております。
 この共同発表を踏まえて、日米両政府は、共同発表によります再編計画の調整等を反映した形で、在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定を改正するための議定書に関する交渉を行いまして、二〇一三年十月にグアム改正議定書に署名をしておりまして、在沖縄海兵隊のグアム移転及び嘉手納以南の土地の返還の双方を普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すとの日本政府の立場に変わりはないわけであります。
 なお、こういう立場でありますが、普天間飛行場の代替施設に関する進展、これは重要であると考えております。

○屋良委員 茂木大臣、最後の言葉なんですけれども、辺野古の移転が重要であるということと、グアムへの移転、これから最低でも十二年かかるわけですね、辺野古の完成。そして、運用、供用開始までどのぐらいかまだわからない。それから、これから裁判もあるわけですから、何年かかるか今のところちょっと見通せない状況になっているということなんですが、米軍再編の、予定では二〇二〇年代の前半、ことし二〇二〇年なので、もうすぐ始まるというふうなことを考えた場合、辺野古移転とグアムへの兵力の移転というのは、もう完全に別の事業になっていって、分離されているというふうに認識するのが自然だと思いますけれども、もう一度、この点だけ。切り離されたのか、あるいはまだリンクしているのか、そこをちょっと、もう一度だけ確認させていただいてよろしいですか。

○茂木国務大臣 先ほど申し上げましたように、在沖縄海兵隊のグアム移転及び嘉手納以南の土地の返還の双方を普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すこととしております。
 ただ、世界でも一番危険で、民有地に隣接をしております普天間の一日も早い返還、これは極めて重要だと考えております。

○屋良委員 それは私たちも普天間周辺で生活しているうちの一人なので、それが十二年も十五年も同じような状況がこれから続くというふうなことがあってはむしろならない。
 それから、イージス・アショアでは、コストの問題とかいろいろ判断材料があったと思いますけれども、沖縄の場合はもう一つ大きなコストがございまして、民主主義ですよ、民意。民意が余りにも軽く扱われている。イージス・アショアの場合、地域の反対があって、その予定地を見直そう、ゼロベースでもう一度検討しようという話になりました。でも、秋田とか山口で県民大会とか県民投票が行われたということは、一切私たち聞いておりません。
 それで、やはりこれは合理的に考えていかないといけないというふうな局面に立っているというのが私たちの考え方なんですけれども、詳細な移転計画は、今後、日米間の協議で決まるものであるという河野大臣の予算委員会での御答弁なんですけれども、既に六七%の予算が支出されているわけでございます。その使い道は、隊舎をつくったとか生活関連基盤であると。そうすると、何人が行くかというのをわかっていなくて、これから協議するから、これから決まりますというのでは、これはちょっと話の後先が逆転しているんじゃないのというような気がするんですけれども。
 どうでしょう、大臣。何人が行くかとか、どれだけのグアムにおける施設整備の需要があるかというのを先に見積もった後で、予算というのは執行されるべきではないんでしょうか。

○河野国務大臣 先ほど申し上げましたように、九千人の米海兵隊の要員が沖縄から日本国外へ移転をするわけでございますが、そのうち四千人の海兵隊員が二

〇二〇年代前半にグアムに移転を開始するということを確認して、こうした事業が行われているわけでございます。

○屋良委員 具体的な数字は既に上がっているわけでありまして、それがどのような部隊であるかというのを当然わかった上で、日米双方がこの事業を進めていることだと思います。
 もう一度、予算委員会での大臣の説明、これは防衛省が繰り返し説明していることなんですけれども、再編終了後に、日本に、沖縄に残る部隊は、第三海兵機動展開部隊司令部、第一海兵航空団司令部、第三海兵後方支援群司令部、第三一海兵機動展開隊、基地維持要員ほか、必要な航空、陸上及び支援部隊から構成されるというふうな説明でした。これはほとんど司令部なんですね。
 だから、実戦部隊、実動部隊というのは第三一海兵機動展開部隊、MAGTFの一番小さな規模、アメリカは31MEUとか海兵遠征隊というふうに呼んでいますけれども、その兵力、三一海兵遠征機動展開隊ですか、の兵力は何人で、それを構成する司令部、航空、地上戦闘部隊、後方支援のそれぞれの兵力がもしわかっていれば教えていただきたい。それとあわせて、三一機動展開隊の主力の部隊というのは一体どのような部隊で、それが何人かというのを教えてください。

○中村政府参考人 お答え申し上げます。
 あくまで一般論ということになりますが、委員御指摘の31MEUにつきましては、規模は約二千五百名というように承知をしているところでございます。その大半につきましては陸上要素になりますが、海兵隊の歩兵大隊を基幹といたしまして、砲兵ですとか偵察、工兵、水陸両用などの部隊で増強された部隊と承知をしております。その規模につきましては、通常の海兵隊の歩兵大隊の規模が約八百名でございますが、これよりも大きい規模となるというように承知をしているところでございます。

○屋良委員 御説明いただいたとおり、日本に、沖縄に残る海兵隊の主力部隊である第三一海兵遠征隊、31MEU、その地上兵力は八百人なんですね。なぜ二千五百人かというと、恐らく、地上戦闘兵力が主要部隊で、そのバックアップなんでしょう。オスプレイもヘリコプターも全てが、地上戦闘兵力を前線に押し出す、そういう輸送力でしかないわけですよ。そのような部隊の、小さい部隊だと僕は思っています。海兵隊の構成の中では、三段階の兵力構成の中では一番小さな部隊になるわけですね。それがどうして抑止力の維持なのかとかという、その合理的な説明はまだいただいておりませんけれども。
 この三一展開部隊の主要な任務というのは一体何でしょう。お願いします。

○槌道政府参考人 沖縄に維持されますMAGTFであります31MEUの任務につきましては、強襲上陸作戦のような大規模で高烈度なもののほか、島嶼防衛のための航空部隊を用いた上陸作戦、在外邦人を含む民間人の救出活動、自然災害発生時における捜索救助活動など、広範囲にわたるものというふうに承知をしているところでございます。

○屋良委員 上陸作戦にしても、八百人でやるわけですから、その中には歩兵も砲兵も含まれているということなので、非常に限定的な作戦にならざるを得ないわけですね。私たちが想定している、戦争でどこかの敵対国が攻めてこられたときに守るとか、そんな大きなオペレーションには、恐らく本国から来ますよ、アメリカ本国から。それが合理的な考え方というか合理的な見通しだと私は思っております。
 むしろ、今の説明の中で、第三一海兵遠征隊がやる今主要な任務というのは、恐らく、民間の救援活動、災害救援だとか民生安定、これは、アメリカ海兵隊、太平洋軍においては、近年、二〇〇〇年代に入って非常に力を入れている分野であります。この部分であれば八百人でも全然問題なくできるというのが、恐らく、今後の海兵隊の運用、その拠点に沖縄を使う、何かがあったら本国からぼんと持ってくれば、恐らくそれは用は足りる。
 韓国がそういうふうにやっているではありませんか、むしろ。韓国は、防衛白書でどのぐらいの兵力が来るかということも明らかにしていますよ。大変大きな数の兵力が来て、韓国は受入れを準備すると。そっちの方がむしろ抑止力になるし、日米の同盟というのは信頼性を増すというふうなことだと思いますが、日本が今やっているのは、辺野古をつくるかつくらないかでもうさんざんこれだけ議論をしてきて、何が残るのかというのも、今聞くと、八百人の陸上戦闘兵力を中心とした海兵遠征隊になると。
 それがなぜ日本の防衛にとって必要不可欠なのかとかというふうな議論が余り深まっていないような気がしている中で、沖縄の民意をかいま見ることもなく、どんどんどんどん埋立てが、あのきれいなサンゴ礁の海が埋め立てられる。七万四千体の、しかも絶滅危惧種を含むサンゴも含まれている、その七万四千体のサンゴを移す。ジュゴンだって、これは保護するべき希少動物じゃないですか。それが、生息状況もわからない、鳴き声は最近聞こえているけれども、それを確認することもないまま、どんどんどんどん進めている。これって先進国がやるべきことなのかというふうな気をずっと強くして思っているんですね。
 もう一つ聞きますけれども、具体的な配備について。
 機動展開する三一海兵遠征隊の部隊は、輸送手段はどのようなものがあって、それがどこに配備されているんでしょうか。そして、さらに、その輸送力というのは一体どれだけの兵員を動かすことが可能なんでしょう。お答えください。

○槌道政府参考人 沖縄には、司令部、陸上部隊、航空部隊、後方支援部隊を統合したMAGTFである31MEUが駐留しておりますが、その航空部隊を構成するのは普天間飛行場の部隊でございまして、同飛行場には、現在、MV22、最大で二十四機、あるいはCH53、十二機といった航空機が配備されているというふうに承知をしております。
 その上で、どの程度の輸送能力を保有するかということについては、米軍の運用に関する事柄でございまして、我々から一概に申し上げることは困難でございますけれども、米海兵隊が公表している情報に基づきますと、MV22については一機当たり二十四名、CH53については一機当たり三十七名の人員を搭載可能であるというふうに承知をしております。

○屋良委員 これはかなり限定的な数じゃないですか。だって、MV22が二十四機で、掛ける二十四人とおっしゃいましたか、一機当たり。そうすると、これは六百、七百人ぐらいのオーダーでしょう。しかも、オスプレイはずっと一〇〇%稼働率を保っているわけじゃないから、恐らく半分ぐらいしか稼働していないというふうに見るのが通常の見方じゃないですか。そうすると、かなり限定的である。だから、沖縄に配備されている輸送力なんというのはとても小さいというふうに見るしかないでしょう。
 だけれども、本来、31MEUが出ていくときというのは、今説明された、いわば小型機ですよ、小型の輸送機で動くはずがないじゃないですか。もう一度答弁をお願いします。

○槌道政府参考人 MAGTFの任務というのは多様なものがございます。その中で、31MEUが所在するということは、その初動において対処をするということを含めて、即応性、機動性を発揮して対応するということでございます。
 航空輸送については、31MEUと組み合わせて、平素配備されておるのはMV22、CH53といった航空機、先ほど申しましたものが恒常的に普天間飛行場にいるということでございます。
 なお、広範囲の任務のうちの例えば強襲上陸作戦といった大規模の任務につきまして、そうした一部の任務については、必要に応じて、佐世保に配備されている強襲揚陸艦等の部隊、これが沖縄の31MEUを支援するということになると理解をしております。

○屋良委員 その強襲揚陸艦はどこにあるんでしょうか。それが運べる数というのはどのぐらいですかということを聞きたいんです、実は。お願いします。

○槌道政府参考人 現在、強襲揚陸艦につきましては、日本においては佐世保に配備されております。その強襲揚陸艦アメリカ級でございますけれども、この輸送能力については、揚陸部隊千六百八十七名程度、最大で千八百七十一名というふうに承知をしております。

○屋良委員 そうすると、沖縄に海兵隊がいる、その輸送能力は佐世保にある、それが一度に輸送できる数は千八百とか二千人とかというオーダーになっていると。二千人で大規模な上陸作戦というのが可能なのかどうかです。上陸大隊は八百人でしょう。そうすると、ミッションは実に限定的だというふうに外形的な事実から見てもわかるんですね。
 もう一つ別の質問をしますけれども、31MEUというのは遠征部隊なので遠征をしている、それをアメリカ軍は、パシフィックツアー、定期的に船に乗って、アジア太平洋地域をぐるぐる回っている。その回っている期間というのは、一年のうち何カ月程度かということを教えてください。

○槌道政府参考人 米軍に駐留する31MEUが洋上等に展開されている期間、これが相当程度あることは承知をしておりますけれども、具体的にどれくらいであるかについては、米軍の運用にかかわる事項でございます。防衛省として、必ずしもその全てを把握しているわけではございません。また、年によって一律でないことも承知しておりますので、一概に申し上げることは困難でございます。

○屋良委員 そうすると、外形的な事実を見てみると、非常に数は少ないわ輸送力は乏しいわ、主力兵力である上陸大隊は八百人であるわという事実と、今防衛省が一生懸命言っている地理的な優位性とか抑止力とか唯一のとか、それはちょっと、もうそろそろ合理的な判断をすべきときなんじゃないのかなと。
 これは、埋立てに十五年ぐらい、最低でも十二年かかる。それで九千三百億円の予算も投じないといけない。これは当初計画していた予算の三倍ですよ。しかも、これから軟弱地盤にどれだけお金を投下していかないといけないかわからない。そこじゃないですか、合理的な判断をすべきところというのは。
 何年か前の参議院外交防衛委員会で、沖縄選出の伊波洋一議員が質疑をしております。31MEUが、東日本大震災のときマレーシアに展開していた、それから緊急展開して来てくれた、熊本地震でもフィリピンに展開していた、それで緊急に応援に駆けつけてくれたというふうな事実があると。その事実について、当時の岩屋大臣は、日本の緊急事態には、沖縄の海兵隊が洋上展開中であっても急行して対応することを示しているものと考えられるというふうに言っているんですね。
 そうすると、フィリピンからでもマレーシアからでも……

○西銘委員長 時間ですので、まとめてください。

○屋良委員 はい。
 展開できるというふうに理解されますけれども、大臣、そろそろ、こういった事実関係をテーブルの上に並べてみて、本当に合理的なものなのか、民意というコストを払ってまでもそれをやらないといけないものなのか、所感をお願いします。

○西銘委員長 河野防衛大臣、簡潔にお願いします。

○河野国務大臣 多種多様な任務遂行能力を有するアメリカの海兵隊が、安全保障上極めて重要な位置にある沖縄を拠点として、そのプレゼンスを維持し、さらに、大規模な作戦が必要となる場合には、来援する部隊の基盤となることによって、あらゆる事態に対して迅速かつ柔軟な対応が可能となるという、このことが日米同盟の抑止力の中核となっていることに変わりはないと認識しております。

○屋良委員 時間が来たので終わります。ありがとうございます。ただ、この問題、まだやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。