2020年5月12日 衆議院 農林水産委員会 屋良朝博

■辺野古埋立工事計画変更の予定を大臣が、勧告・指示を出した段階で知っていたのかを質問

質問内容についての要約

海の資源、水産資源について。

豊かな海の資源を守ることが全人類的な大きな課題であるが、今、沖縄で、防衛省が普天間飛行場を移設するための辺野古の埋立工事の計画が変更され、大規模な工事になってしまうという状況が想定されている。

辺野古の海、大浦湾の豊かな自然が、開発の危機にさらされようとしている。

また、普天間第二小学校には、校庭の端にシェルターがあり、ヘリコプターが飛んできたり、オスプレイが飛んできたりすると、子供たちはこのシェルターに駆け込む。

そんな状態を十二年、これから続けるというのが今回の設計変更である。

それを前提とし、今回大臣が勧告、指示を出した段階で、設計変更が予定されているということを知っていたか、知っていなかったか、について質問をした。

議事録

201-衆-農林水産委員会-12号 令和2年5月12日 

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○屋良委員 立国社の屋良でございます。
 きょうは、本当に貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。
 前回農水委員会で質問させていただいたときには、豚熱で沖縄も非常に被害に遭っていた中で質問させていただきまして、農水省の対応、そして、豚、沖縄の在来種アグーの保護について、大臣からも非常に前向きな答弁をいただきまして、感謝しております。
 きょうは、海の資源、水産資源をテーマに、ちょっとお話をさせていただきたいと思っております。
 今、サンゴ礁が非常に世界的に危機に瀕している。国連が推奨しておりますSDGsでも、海の豊かさを守りましょうというふうなことなんですけれども、現状を見てみますと、世界の二〇%のサンゴが既に破壊されておりまして、二四%が人間の圧力、開発行為などによって非常に危機に瀕している、さらには、長期的に見ると、二六%が既に破壊の途に立っている、侵されているというふうなことで、それに加えて、温暖化などが加わりますと、二〇五〇年までには世界の九五%が死滅してしまうであろうというふうに予測されています。
 そこで、豊かな海の資源を守りましょうということが全人類的な大きな課題でありますが、今、沖縄で一つ、防衛省が、普天間飛行場を移設するための辺野古の埋立工事、これの計画が変更されまして、大規模な工事になってしまうというふうな状況が今想定されておりまして、この辺野古の海、大浦湾なんですけれども、この写真、皆様にお配りしました資料の一枚目、この豊かな自然が、今、開発の危機にさらされようとしているということでございます。
 二枚目をおめくりいただきたいんですけれども、そういう状況の中で何で農水省がかかわってきたのかということでございますけれども、防衛省は、その海域に生息している、埋立現場に生息しているサンゴ礁七万四千体を移植する、サンゴの保護のために移植するということなんですけれども、その移植をするためには、沖縄県から採捕許可を得ないといけない。それで、去年の四月と七月に採捕許可を出したんだけれども、それは沖縄県も、御承知のとおり、なかなか対応に苦慮しておりまして、それで、設計変更も予定されているということを当然知っていますので、その大規模な設計変更前にサンゴの採捕許可を出すことは厳しいだろうというふうなことで、ずっと判断を保留してまいりました。
 ところが、ことしの一月と二月に、農水大臣が、とっととサンゴ礁の採捕許可を出しなさいということで、沖縄県に対して勧告をしております。それに従わないので、今度は是正指示を出しているというふうな事態である。それに不服を申し立てている沖縄県は、国地方係争委員会にこのケースを持ち込んだというのが現状でございます。
 そして、四月二十一日、防衛省は設計変更申請を沖縄県に提出。その内容は、軟弱地盤を強化するために、くい七万本をその地域に打ち込まないといけない。このために、工期は当初予定の二倍、十二年かかってしまいます、予算も三倍、九千三百億円かかってしまいますよというふうな設計変更でございます。
 この右下の写真は私が撮影した普天間第二小学校の写真でございますけれども、校庭の端っこにあるピンク色のこの構造物、これはシェルターでございます。ヘリコプターが飛んできたり、オスプレイが飛んできたりすると、子供たちはこのシェルターに駆け込むんですね、危ないから。そんな状態を十二年、これから続けますよというのが今回の設計変更であります。
 それを前提に質問に入らせていただきたいと思いますけれども、今回大臣が勧告、指示を出した段階で、設計変更が予定されているということを御存じでしたか。知っていたか、知っていなかったかということだけで結構でございます。

○江藤国務大臣 オフィシャルに私の方にそのような内容の報告はなかったというふうに承知しております。

○屋良委員 なるほど。それはちょっとびっくりでございます。御存じじゃなかった。去年の十一月に……(江藤国務大臣「オフィシャルにはなかったと。知ってはいたけれども」と呼ぶ)オフィシャルにはなかった。知ってはいた。知っていらっしゃった。
 オフィシャルに、沖縄防衛局が農水省に対してそれを説明しています、去年の十一月に。現状も説明していて、それでもって農水省は動き始めているということでございます。
 それでは、知っていたという前提で質問を続けさせていただきますけれども、今回のような大規模な設計変更は許可できませんと仮に沖縄県が判断した場合、埋立工事はストップします。それは公有水面埋立法に基づいてそういうふうな手続になるわけですけれども、大臣はそのことを認識しておりましたか。

○江藤国務大臣 公有水面埋立法でしたね、これに基づいて、これは、なかなか長い歴史があるお話でありまして、仲井真知事の時代には、一度は辺野古の方に移転することについては御了解いただいて、翁長知事、そのときの副知事の御判断もあって、裁判があって、平成二十八年の十二月に、このときは国が勝訴をしました。しかし、その後、玉城デニーさんになって、そしてその設計変更があって、かなりいろいろな変化があるので、設計変更について沖縄県がどのような判断をされるかについて、私が予断を持ってああだこうだと言うことはできませんけれども、そうなった場合において、これが特別採捕を認めないという理由にはなかなか直結はしないのではないかというふうに思っております。

○屋良委員 済みません、今、特別採捕の話とはちょっと話がずれておりまして、今回沖縄県が設計変更を認めないと仮定した場合、工事がとまってしまうというのは当たり前のことなんでございます、今の手続法によりますと。そのことを大臣は知っていらっしゃったのか、認識なさっていたのかというのが私の質問でございます。

○江藤国務大臣 この工事がとまるかどうかについての判断をするのは当然私ではありませんので、そのことについては、予断を持って私の方から答弁することは差し控えさせていただきます。

○屋良委員 それはおっしゃるとおりで、沖縄県が判断するわけでございますから。
 ただ、沖縄県が判断した場合、工事はとまっちゃう。工事が進まなくなれば、サンゴの移植は不要となるわけですね。ただ、恐らくそういうふうにはならないでしょう。多分、沖縄県が反対をするということに対して、防衛省はそれを裁判で争うことになります。これまでもそうでございました。それで、沖縄県の主張が認められれば、埋立工事はとまってしまいます。工事の一過程であるサンゴの採捕を許可するか許可しないかということは、その次の判断になるわけですね。工事が進むかどうかは、今よくわからないような、宙ぶらりんの状態になるかもしれないということでございます。
 それで、今後裁判になるというふうに仮定した場合、裁判で沖縄県の主張が認められる可能性を否定するあるいは否定できる根拠は何でしょうか。

○辰己政府参考人 現在、設計変更の申請を防衛省からしておりますが、これに当たりましては、技術検討会、環境監視委員会、専門家の方々からの助言も得て詳細に検討しておりますので、沖縄県において適切に判断していただけるものと承知しております。

○屋良委員 まだ適切な判断が出されていない段階でございます。
 工事が進むということを前提に、サンゴの採捕に絡んで農水省が勧告、指示を出す、それは、裁判の判断を先取りして、恐らく沖縄県が負けるであろうというふうな判断の前提に立った上でなければ、今回のような勧告、是正指示は出せないと思いますが、大臣、どう思いますか。

○江藤国務大臣 最初に申し上げておきますが、参議院の予算委員会だったと思いますけれども、私がこのような勧告、指示を行ったことは、工事をもっとがんがん進めなさいということを後押しする趣旨で行っているものではございません。これをまず申し上げておきたいと思います。
 そして、私としましては、沖縄県の漁業調整規則に基づいて採捕の許可を出すかどうかが判断されるわけでありますが、この規則をつくる根拠法は漁業法と水産資源保護法ですから、これは私の、農林水産省の方で所管する法律ですので、この法律に基づいて、これは自治事務ではなくて法定受託事務ですから、国は一定の関与をしっかりしなければならないということが法的に担保されているわけであります。
 ですから、このことについて国が口を出すことは、裁判の先行きを予見してやっているというふうなことではなくて、これは、あくまでも法律に基づいて、最初勧告をさせていただいたけれども、なかなかお答えをいただけない、そして、二月の何日だったでしょうか、知事の方からはっきりノーというお返事もありましたので、今に至っているということでございます。

○屋良委員 知事がノーと言ったということは、設計変更が出された場合、知事はそれも拒否するであろうということは容易に想定がつくわけですね。設計変更に対して知事がノーと言えば、工事がとまる可能性があるわけです。それで、裁判になっちゃう、裁判の判断を待たないといけないわけですね。漁業法と水産資源保護法というのはその後の判断じゃないかというふうな気がするわけです。
 そこで、恐らく、標準処理期間のこととか、あるいはサンゴの緊急避難であるというふうなことを議論なさると思いますけれども、今この時点において、まだ設計変更が認められるか認められないかということがわからないこの時点において、是正の指示に至る農水省の一連の対応については、司法の判断を軽んじる高圧的な姿勢を示すものであり、極めて独善的な行政運営であると断じざるを得ないと私は思いますけれども、大臣、釈明があればお願いします。

○江藤国務大臣 そういうものではないと先ほど申し上げました。
 私も、このサンゴについては、しっかり、資源の保護法と漁業法に基づいてこれを守らなければならないと思っています。
 例えば、この時点で、設計書変更が出されておりますから、いつ工事が着工されるかについてはまだ予断を持って申し上げることは避けますけれども、採捕許可をいただけたからといって、すぐに採捕に移るというわけでは、これはありませんので。
 しかし、行政の流れとして、勧告はさせていただいて、そして、もともと、四十五日間という、それは沖縄県さんが定められた期間ですよ、この期間を百日以上も過ぎて、これも二回、四月、七月、二回やっておりますから、この期間を大きく超えて、それでもお返事がいただけないということに対して、何のレスポンスも農林水産省としてしないということであれば、これはまさに行政の怠慢ということになりますので、これは法律に基づいて粛々とやらせていただいたというふうに御理解いただければと思います。

○屋良委員 標準処理期間を経過してずっと対応が沖縄県からなされていないので、農水省はそのレスポンスとして、サンゴ礁の採捕を認めなさいという勧告を出したわけですね。
 これって、知事の一次判断権を著しく阻害して、過大な干渉じゃないんでしょうか。関与の制度趣旨を逸脱するものとして、私は今回は農水省の方が違法な状態だと思っていますけれども、どう思いますか、大臣。

○江藤国務大臣 いや、繰り返しの答弁になりますけれども、私のところで漁業法と水産資源保護法を所管しておりますので、ですから、この法律に基づいて私は職務を遂行させていただいているわけであって、知事には知事の地方自治法に基づく権限があることは重々承知しておりますが、この特別採捕につきましては、法定受託事務というくくりで、自治事務ではありませんので、我々は、一定の関与をするということについては、法的な論理性に矛盾はないというふうに考えております。

○屋良委員 百歩譲って、この段階で勧告、是正指示を出すのであれば、早く審査をして許可か不許可かはっきりさせた方がいいんじゃないですかというふうな勧告であれば、すっと入ってきます。
 ところが、工事が進むかどうかというのは、これからの議論の進展あるいは裁判の進展によってでしか明らかにならないんですね。この段階で大臣が、どんどん工事を進めなさいということではないとおっしゃる大臣が、結果的にサンゴの採捕を認めなさいというふうなことを言うということは、やはり沖縄県の判断権を奪っちゃっている、過大な国による自治権への介入ではないか。私はこれは大きな問題だと思っております。
 改めて伺いますけれども、その点、どうでしょうか。

○江藤国務大臣 国と地方はそれぞれの役割がありますので、沖縄県の自治に基づくものについて干渉する意図はそもそも持っておりません。
 そして、今、三月三十日に国と地方の係争処理委員会に審査が提出されて、この審査の最中でもあります。そして、その後に、四月二十一日に設計変更を県に申請しているという時系列でありますので、そのもっと前の段階で私としては勧告、指示を行っております、一月と二月ですから。ですから、これの時系列の並びを見ていただくと、そのような御批判は当たらないのではないかというふうに考えております。

○屋良委員 四月二十一日に防衛省が設計変更を申請したということも驚きでございました。全国的なコロナの被害で緊急事態宣言が出されているさなか、何の前ぶれもなく、一千八百ページにも及ぶ申請書をどんと沖縄県に持ってきて、そのとき担当者は隔日出勤のテレワーク中だったんですね。だから、急いで事務所に上がっていくというふうな、そんなやり方だったんですよ。
 そういうふうなことを行政として一自治体に、しかも、沖縄県もコロナで、その当時も大変な時期でありました。そんなさなかに、埋立てをがんがんやりなさいというふうなことを防衛省がやっていて、その側面支援をするようなことを僕は農水省ではやっていただきたくない。ましてや、水産資源を守る立場の農水省の仕事ではないと私は思っております。
 ここで、標準処理期間という言葉が何度か出ましたけれども、総務省に伺います。
 標準処理期間を規定する行政手続法の解説書が行政管理研究センターから出版されていますけれども、読んでみますと、一般的に、処理期間を経過したときでも、期間はあくまでも目安にすぎず、申請者が行政庁、申請者というのは今回は防衛省ですね、行政庁というのは今回は沖縄県の場合です、申請者が行政庁から何らかの応答を受けることを保障するものではないと解釈されている。申請に対する処分が標準処理期間を経過したからといって、そのことのみで直ちに不作為の違法に当たることにはならないと考えられるというふうにこの逐条解説では書いておりますけれども、そのとおりでしょうか。

○吉開政府参考人 お答え申し上げます。
 行政手続法六条の規定に関しまして、今先生が御指摘いただきましたように、逐条解説に書いてあるとおりでございます。
 標準処理期間を経過しましても申請に対する処分がなされていないことのみをもって、直ちにその不作為が違法に当たることになるものではございませんけれども、違法性の判断に当たっての考慮要素の一つにはなり得るというふうに考えております。

○屋良委員 今回、農水大臣が行った勧告、是正指示には二つの大きな理由があったと思います。この行政手続法に基づく処理期間を大きくオーバーしているということが一つ。もう一つは、埋立てが進んだらサンゴが壊されちゃうから、それを保護するために移植をするんでしょう、だから、その移植に対して異議を唱えている沖縄県の判断は余りにも適正を欠く、公益を害しているから、それが違法状態であるというふうな判断だというふうに、農水省の国地方係争処理委員会に出した答弁書には書いてあるんですね。
 この二つの大きな理由なんですけれども、いま一つは、処理期間がオーバーしたからといって、それが直ちに違法状態でない、違法状態にはならないよというのがこの法の解釈なんですよ。もう一つ、サンゴの移植なんですけれども、移植の技術はまだ確立されておりません。これが常識なんですね。
 サンゴ礁の移植、保護について水産庁に伺いますけれども、水産庁の漁港漁場整備部が発行しております有性生殖によるサンゴ増殖の手引きというのが、去年三月に改訂されたものがあります。これは水産庁が出しているものなんですけれども。サンゴ礁の移植には二種類ある。一つは、生きたサンゴを採取して別の場所に持っていく、これが無性生殖法と言われている移設方法でございます。もう一つは、サンゴ礁というのは動物なんですよね。卵を産むんです。一斉に産むんです、月夜の夜に。それを集めて、一つ一つ種苗をつくるんですよ、苗床をつくるんですね。それで養生して、それで大規模にこれを植えていくというふうなやり方、これが有性生殖法と言われているものです。
 この二つの方法があるんですけれども、この手引書によると、無性生殖法によるサンゴ礁の回復は十分でないというふうに書いてあります。だから、水産庁は有性生殖法の技術開発を進めているところだというふうにちゃんと書いてあるんですね。
 沖縄で、これまでに多くの無性生殖による移植が行われてきました。移植後の生存率はどれほどなんでしょうか。水産庁、お願いします。

○辰己政府参考人 現在我々がやっている移植におきましては、九群体、オキナワハマサンゴというものでございます。これについては、沖縄県知事から許可を得て移植をしているものでございます。現在、九群体を移植しましたが、六群体、これについては生存した状態をキープしています。二群体は死亡して、一群体は流失をしているという状況でございます。
 あと、これは国交省の方から以前国会で答弁があったと思いますけれども、移植サンゴが生き残っている割合というのは、小型サンゴは四〇%、大型サンゴは一〇〇%、そういうふうなことが国会で答弁されていると承知しています。

○屋良委員 水産庁が出しているこの手引書によると、これまで沖縄で移植あるいは移設されたサンゴ群体は三十万株を超えるが、多くのサンゴの植え込み四年後の生存率は二〇%以下であるというふうにちゃんと書いてあります。
 九群体を移して六群体生存している。しかし、この生存の判断基準も曖昧です。それは、防衛省が設置した環境監視委員会の議論の中にも、そういうふうにはっきりと委員は指摘している。そもそも移植の有効性、ある委員は、移植三年後の生存率が四〇%以上を目指すべきである、ほかの事業が目標に達していないのであれば、移植自体が避難措置として適切でないというふうに指摘しております。
 この報告書を読んでみるとびっくりします。知見がない、サンゴの生態について知見がない、サンゴの移植について知見がないという言葉のオンパレードなんですね。
 例えば、今、六群体健康であるというふうな答弁がございましたけれども、健康状態を判断する基準、ある委員は、学術的な知見のない中での判断であり非常に厳しいというふうに言っております。
 報告書の中に、健康状態であるというふうな報告をされている六群体の写真が載っております。これは、ほとんど死滅しているんだけれども、ある一部分が生きていれば健康だというふうに防衛省は判断しているんですね。これはおかしいでしょう。ほとんどもう白化している状態だけれども、一部分だけが生きていればそれは健康であるというふうに判断しているけれども、委員はそうは言っていない、判断する知見がないと言っているんですね。
 移設する先の移植先、これは重要ですよ。環境が違うんですから、サンゴ礁が今後生きていけるかどうかということの大変重要な判断基準になるんですけれども、委員は、一般的なサンゴの生育環境に何が良好かを判断する知見は今のところないというふうに言っているんですね。
 そんな状態で、七万四千体、その中にオキナワハマサンゴとミドリイシというのが含まれています。これは絶滅危惧種なんですね。トキとかそういったものと一緒ですよ。そういった生態系の中で生きている植物あるいは動物をどこか移す方法とか、その成功例とか、成功する確率とかわかっていないのに、どんどん移しましょうというのが今のやり方なんですね。これは、SDGsの精神にも反するし、漁業法、水産資源保護法の精神にも反すると思います。
 大臣、もう時間が来ましたので、最後にこの一点、どうお考えなのか、お答えください。

○江藤国務大臣 いろいろ、これまでの実績等、生存率等も大変勉強になりました。やはり、私がこの二つの法律に基づいて勧告、指示を出させていただいたのは、あくまでも、辺野古の建設を更に促進してくださいという意図ではなくて、漁場を守り、そして美しい海を守るという観点から移設が必要だろう、移植、採捕して移すことが必要だろうということでありますので、きょういただいた御指摘をしっかり胸にとめて、また勉強させていただきたいと思います。

○屋良委員 今回の事業、十二年かかるということだけで、これは事業の合理性、政治的な目標を喪失してしまったような事業なんですね。
 お願いします。この事業に、日本の農林水産業を育成していく立場の農水省がかかわっていただきたくないということをお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。