2024年2月8日 衆議院 予算委員会 屋良朝博

■辺野古新基地建設をめぐる埋め立て工事について

質問内容についての要約

辺野古新基地建設をめぐる埋め立て工事について質問。

議事録

 第213回国会 衆議院 予選委員会 第6号 令和6年2月8日

PDFはこちら

○屋良委員 立憲民主党の屋良朝博でございます。
 林官房長官、防衛大臣、国交大臣、よろしくお願いいたします。
 今日は、沖縄県名護市の辺野古で進められている埋立工事について質問させていただきたいと思います。
 これまでいろいろありまして、最高裁の判決が出たり、判決が出てもなお沖縄県が抵抗しているのは違法行為だというふうに考えていらっしゃる方も多くおられます。
 そこで、これまでの経緯と現状を再確認するために、ちょっと例え話をさせていただきたいと思っておるんですけれども。
 ある資産家が、海岸沿いに別荘を建てて外国の友人を住まわそうと考えました。工事を請け負った建設会社は、軟弱な地盤はあるけれども大丈夫です、地盤の強さを示すN値は十一と推定され、比較的固いから一般的な工法で十分いけますよ、総工費は三千五百万円、五年で完成します、そのように提案しました。地主は五年ならいいかなと契約書にサインをしました。
 建設会社は、埋立工事を始めた後になってから、なぜかボーリング調査を実施し、あれは駄目です、N値がゼロのマヨネーズ状でした、地盤改良工事が必要になりましたと言い出した。七万本の砂ぐいを打ち込みます、あと十二年はかかります、工費は六千万円増しの九千三百万円になりますと再契約を迫ってきました。
 地主はさすがに、これは契約違反じゃないですかと反発します。すると、建設会社は東京本社の社長に電話をします。地主が言うことを聞きませんと泣きつきます。本社の社長は、それはけしからぬな、俺が勧告、指示を出すと手続を強引に進めた。
 地主は裁判に訴え、指示なんてあり得ませんよと主張した。ところが、裁判所は、勧告、指示の手続のみを審査し、軟弱地盤の問題など工事の中身は一切審議しない。裁判所は、手続は適正であり、地主の拒否は無効ですよ、それが不服審査申立ての仕組みなんですと訴えを退けた。地主は上告したけれども、最高裁も同じだった。ただ、判決に意見を添えて、地主の言い分も聞いてあげなさいよと建設会社に求めた。建設会社の社長は、地主に代わって設計変更書に自らサインできる代執行という禁じ手を使ってしまった。
 そんな騒動の末、別荘に入る予定の外人さんは、最近、間取りが狭くて嫌だなと言い始めているというのが現状でございます。
 そうした経緯を踏まえた上で、地方自治体に対する国の代執行は、日本初の強権発動となります。
 こうした現状の中で工事は進められておりますけれども、資料一で示しているとおり、もう既に五年がたった今、この図の下側にある工区、埋立て済みと書かれた工区だけが完成しており、土砂投入量で見ると全体の僅か一六%。
 これから軟弱地盤がある海域に進みます。地盤改良工事を進めて、土砂の投入量で見ると、残り八四%の工事を今後八年間で終わらせるというふうに防衛省は説明しておりますけれども、その根拠を、大臣、御説明ください。


○木原国務大臣 普天間飛行場代替施設建設事業の工期についてお尋ねでございますが、変更後の計画に基づく工事に着手してから、埋立工事に要する期間として八年、工事完了までに九年三か月を要する旨御説明をしてきておりまして、変更後の計画に基づく工事については、本年一月十日に着手したところでございます。これが起点となるわけであります。
 この工期については、沖縄防衛局において、有識者の助言を得て工事計画についてしっかりと検討をし、護岸や埋立て等の施工順序の工夫などを行いつつ、国土交通省が監修する一般的な作業能力や作業時間に係る基準を参考にしながら見直したものであると承知しております。
 防衛省としては、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、そして基地負担の軽減を図っていくため、辺野古への移設工事に全力で取り組んでまいります。


○屋良委員 続きまして、資料二を説明させていただきたいと思いますけれども、これまでの工事は、水深が一メートルから三メートル、五年でこれは全体の一六%なので、このままのペースで進めば、このままのペースですよ、それでも三十年先になります、完了は。ただ単純な計算なんですけれども。
 これから、水深九十メートルを含む海域で七万本もの砂ぐいを打ち込む非常に難しい難工事に入る。当然、工事のペースはダウンしていくと考えるのが自然ではないでしょうか。防衛省は、現在の三倍も早いペースで工事を進めるというふうに言っている。もしかしたら、これはペースダウンすると、半世紀もかかるようなモンスター事業になるかもしれないという指摘もあります。
 現計画、十二年も長過ぎるんですよ。歴代の総理、官房長官、外務、防衛の閣僚経験者、みんな口をそろえて一日も早くと言ってきました、委員長もその中のお一人でございますけれども。本当に、こんな長い間かかってしまったら、みんな生きていますかね。これは責任取れますか。
 また、工費も青天井になってしまうというふうな指摘もあります。当初計画では三千五百億円で完成する見積りでしたが、現在は約三倍の九千三百億円。しかも、一六%しか進んでいないのに、既に四千三百十二億円を支出しております。沖縄県の試算では二兆五千億円。当初予算の七倍にも膨張するという計算もあります。あの大阪万博の一・九倍、二千三百五十億円がかすんで見える。かの八ツ場ダムでも五千三百二十億円で、当初計画の二・五倍。東京湾アクアラインで、一・二五倍の一兆四千四百億円です。
 途中、計画を変更すれば、どんな無謀な公共工事でも許されてしまう、そんなことなんでしょうか。このようなモンスター事業を代執行で強行する正当性について、斉藤大臣、御説明ください。


○斉藤(鉄)国務大臣 御質問の工費に係る事項につきましては、普天間飛行場代替施設建設事業を所管する防衛省に御質問いただきたいと思います。


○屋良委員 それでは、改めて伺います。
 代執行の正当性を御説明ください。


○斉藤(鉄)国務大臣 沖縄防衛局からの埋立変更承認申請につきましては、二〇二二年四月二十八日付で、承認するよう、公有水面埋立法の所管大臣として、沖縄県に対し、是正の指示をしております。この是正の指示につきましては、昨年九月四日の最高裁判所の判決において、その適法性が確定しているところです。
 しかしながら、その後も知事が承認しなかったため、地方自治法に基づく代執行を念頭に勧告をし、その後、指示を行いました。それでもなお、引き続き知事は承認しなかったため、昨年十月一日付で、地方自治法に基づき、代執行訴訟を提起しました。その後、十二月二十日に、福岡高裁那覇支部において、知事に対し、十二月二十五日までに承認するよう命じる旨の判決が言い渡されました。
 しかし、知事はこの判決に従わず、期限までに承認しませんでしたので、公有水面埋立法の所管大臣として、地方自治法の規定に基づき、沖縄県知事に代わって、十二月二十八日付で沖縄防衛局からの埋立変更承認申請を承認したものでございます。
 失礼しました。先ほど、昨年十月五日付で、地方自治法に基づき、代執行訴訟を提起いたしました。十月五日付でございます。失礼しました。


○屋良委員 勧告、指示の行政手続の御説明、どうもありがとうございました。
 しかし、それであれば、どの省庁からも、行政不服審査申立てをして、そして、その手続が正しければ、全国でも、同じような手法で、中身など関係なくて、どんな公共工事でもできるということになってしまいませんか。大臣、そのような御認識でしょうか。もう一度お答えいただくことはできますか。


○斉藤(鉄)国務大臣 今回は、公有水面埋立法の所管大臣として、地方自治法の規定に基づき、この代執行を行ったものでございます。
 また、そのプロセスについては、各段階の裁判所において、その正当性が認められております。


○屋良委員 もうこれは堂々巡りになるのでここでおいておきますけれども、米軍にはどのように説明しているかというのが気になるところです。
 八年で終わりますよと言っていて、返還合意からもう既に二十八年、約三十年経過しています。その間ずっと、いろいろな計画が出ては消え、出ては消え、そして今、八年で終わりますよと言っている。これまでのペースの三倍で進むことが本当に可能なのかということは、ちょっと疑わしいところが私はあると思うんですけれども、防衛大臣、アメリカ側にはどのような説明をなさっているんでしょうか。


○木原国務大臣 日米間におきましては、日頃から現地間も含めて様々な実務レベルで協議、そして調整を行っているところであります。
 普天間飛行場代替施設建設事業の工期につきましては、変更後の計画に基づく工事に着手してから、先ほど申し上げたように、工事完了までに九年三か月、そして、部隊移転の前に行われることになります提供手続の完了までに十二年を要する計画である旨、米側に対して説明をしてきております。
 提供手続完了後、早期に普天間飛行場の全面返還が実現できるよう、引き続き米国と緊密に連携してまいりますけれども、そこにはしっかりと合意ができているということでございます。


○屋良委員 ありがとうございます。
 斉藤大臣、大臣への質問はここまでなので、もしよろしければ御退席いただいても構いませんので、よろしくお願いします。


○小野寺委員長 どうぞ、斉藤大臣、御退出ください。


○屋良委員 防衛省は、二〇〇七年の音波探査で軟弱地盤の存在を確認していた事実が昨年十一月の報道で明らかになっています。二〇〇七年といえば、沖縄県に埋立許可申請をする六年も前のことであります。
 資料三を御覧ください。これが新聞報道でございます。それを基に、大臣に以下質問させていただきますが。
 その二〇〇七年の報告書の四十七ページ、この報告書ですけれども、四十七ページに、軟弱な沖積層が広く、厚く分布する、設計、施工するに当たっては、これらの分布状況の精度を向上させることと性状を確認することが必要である、そのためには、ボーリング調査を実施し、地盤の固さを調べた上で、設計、施工に必要な基礎資料を提供する必要があるというふうに明記されております。
 この報告書は、沖縄防衛局と調査会社の連名で作成されております。つまり、設計、施工にはボーリング調査が必要であることを防衛省自身が認めていたということになっているわけですね。
 ところが、防衛省は、ボーリング調査を行わないまま沖縄県へ埋立承認申請の願書を提出し、それには、軟弱地盤は比較的固いというふうに書いてあります。
 木原大臣、これは申請書の虚偽、偽造、そんな申請じゃなかったんでしょうか。


○木原国務大臣 御指摘の土質調査の報告書につきましては、沖縄防衛局が、御指摘があったように、二〇〇七年、平成十九年に地質調査業務の受注者から提出を受けた報告書であるというふうに承知をしております。
 この報告書にあります軟弱な沖積層との記載につきましては、これは一般的に沖積層が他の地層と比較して軟らかい場合があることというのを表現しているものであり、地盤改良工事が必要となる地層であることを意味するものではないというふうに承知をしております。
 その上で、平成十九年、二〇〇七年までに実施した土質調査の結果、計画地で確認された沖積層の土質については粘性土ではなく砂れき等であったことから、埋立承認申請を行う前の設計段階では更なる土質調査を実施しなかったところであります。


○屋良委員 その見積りというか推定が全く間違っていたから、今回の大規模な設計変更につながったんじゃないですか。ちゃんとボーリング調査をやっていれば、今のような設計変更は要らなかった、必要なかったかもしれない。
 大臣、この海域というのは、もうずっと前から軟弱地盤が指摘されている。一九六〇年代に、ベトナム戦争のときに、アメリカ海軍がここで飛行場を造ろうとしてマスタープランを作っているんですよ。ところが、軟弱地盤があるので計画を断念したという経緯があったことが分かっております。
 そういった経緯も無視し、二〇〇七年の防衛省が行った調査も無視して、ボーリング調査を行わないまま、真実をゆがめた内容で沖縄県への埋立承認願書が出されたと思われても仕方ないじゃないですか。ちゃんとボーリング調査をやっていれば、地盤の固さが確定されて、そしてしっかりとした計画が作れる、それが必要ですよというふうに二〇〇七年の調査結果で出ている。にもかかわらず、防衛省はそれを無視してきた。
 しかも、この調査は、沖縄防衛局と調査会社の連名でやられているわけです。先ほど大臣は調査会社ということで説明されましたけれども、この報告書のかがみの部分に沖縄防衛局調達部というふうに明記されているんですね。防衛局も防衛省も責任を負っているということです、この検査の結果には。
 にもかかわらず、ボーリング調査をせずに沖縄県に埋立申請を行ったことは虚偽じゃないかというふうに私は受け止めているんですけれども、大臣、もう一度、そこのところを御説明いただけますでしょうか。


○木原国務大臣 埋立承認願書の作成についての御質問でありますけれども、沖縄防衛局においては、設計の段階で必要な調査を行い、御指摘の沖積層についても認識した上で検討を行ったものであります。
 沖縄防衛局は、この地層の存在も含めて、平成二十五年、二〇一三年の埋立承認願書に記載するとともに、その審査過程において施工段階でボーリング調査等の必要な土質調査を実施することを沖縄県にも説明をした上で、沖縄県知事から埋立承認を得たものというふうに承知をしております。
 その後、施工段階で必要な調査検討を行った結果、地盤改良工事が必要であるということが判明をし、同工事の追加などを行うこととしたものであります。
 このように、それぞれの段階、設計の段階あるいは施工の段階、それぞれの段階において必要な調査検討を行ってきたものでありまして、このような対応には問題がなかったものというふうに考えております。


○屋良委員 沖縄県への説明の中で、長期にわたり沈下する軟弱層は確認されていないというふうに言っております。そのことについて、なぜそういうような説明をしたのかお伺いしたいということと、また、承認申請後の二〇一四年にボーリング調査を行った目的は一体何だったんでしょうか。
 二〇〇七年の報告書では、設計、施工の前にボーリング調査をやって、地盤の強さを確定しなさい、その方がいいですよというふうに提案を受けているんですよ。なぜそれを無視したんでしょうか、改めて伺います。


○木原国務大臣 事実関係から申し上げますと、まず、二〇〇七年に、設計段階の音波探査等の報告書を受領ということであります。このときに、軟弱な沖積層というのが記載をされたということであります。
 それから、平成二十五年、二〇一三年に埋立承認願書を提出。これが同年十二月に承認をされたということであります。この段階で、これは沖縄防衛局から沖縄県に申請書が出されたわけですが、審査過程において、計画地の直下には、圧密沈下を生じるような粘性土層は確認されていないというふうに回答をしているところです。
 その後、平成二十六年、二〇一四年の八月に施工段階のボーリング調査を開始というのは、そういうクロノロジーがございまして、そういう過程の中で、それぞれの段階において必要な調査検討を行ってきた、そういう経緯がございます。


○屋良委員 今、現段階の計画内容を見てみると、完成してもなお、その後二十年間は、地盤のゆがみで滑走路が不同沈下する、そのためにジャッキアップなどで平たんを維持する作業が続くことになっていますね。その都度、滑走路の使用が制限されるようになるということですよ。
 こういう滑走路を提供して本当に大丈夫なんですか。二〇〇七年の報告書を受けてちゃんと調査をしていれば、五年で完成するなどという見通しは、もしかしたら立たなかったのかもしれません。十年以上となると、沖縄県が埋立許可にちゅうちょしたかもしれない。なぜなら、一日も早くという政治目標が実現しないからです。沖縄県をだまして許可を取り付けたと言われても仕方ないんじゃないですか、大臣。
 これは、この工事自体が後先逆になっている。ちゃんとボーリング調査をして、地盤の固さを確定した上で、それを基に設計図を作って、何年かかりますよとちゃんと沖縄県に説明していないと、沖縄県が承認許可をする判断材料には全くならないということですよ。判断材料自体が軟弱だったということですよ。
 そんなことで、今、ずっと進んでいって、最高裁まで行って、沖縄県が今なお反対していることに対して、沖縄県自身が違法行為をしているというふうなレッテル貼りがすごいんですね。本当にこれは終わるのかどうか、全く見通しが立たないという状況の中、そして今、滑走路が短いということで、アメリカ側がいろいろ言ってきている。オスプレイも運用に支障を来すんじゃないかと言われている千二百メートルの滑走路。この滑走路は十分な所要を満たすことができるんでしょうか、大臣。


○木原国務大臣 まず、前段についてですけれども、いわゆる海上の埋立空港の問題ですけれども、これは軍用に限らず民間の空港もそうなんですが、長い年月を経て沈下が起こるということは、これは埋立空港においては一般的でありまして、これについて、設計、施工、維持管理の各段階で沈下対策というのを行っていくことにより、十分対応可能なものであります。民間でも、関西空港であるとか、羽田空港もしかりでございます。
 このために、普天間飛行場代替施設の滑走路についても、同様の対応によって、飛行場としては問題なく運用可能であるというふうに考えております。
 そういう中で、今度は滑走路の長さの問題でありますけれども、滑走路長につきましては、この点、日米両政府で、こちらも合意をされているものです。
 滑走路長については、現在の普天間飛行場に配備されている連絡機というのはC12及びC35になるわけですが、これらを安全に運用する観点から、米軍の安全性基準というものを考慮しまして、滑走路長は千二百メートル、オーバーラン対策として各三百メートルとしたところであります。
 なお、普天間飛行場代替施設に移転するのは、これまでの普天間飛行場が有してきた機能のうち、オスプレイ等の運用機能のみでありまして、いわゆる大型の固定翼機の運用を前提としていないことから、現在の普天間飛行場の滑走路長に比べると大幅に短縮をしたということになります。


○屋良委員 資料四でお示ししたのは、沖縄のアメリカ海兵隊幹部が、この滑走路の長さでは軍事的な制約を受けると指摘しているというふうな記事でございます。これは二〇一七年にもそうだったんですけれども、アメリカ会計検査院、GAOがレポートの中で、辺野古の滑走路が千二百メートルでは短くて問題を引き起こす、緊急事態には使えないと厳しく指摘しています。
 何も、滑走路はオスプレイだけに使うか。それはそうじゃないでしょう。例えば嘉手納が使えない場合は、ダイバートといって別の航空機が使う場合もあるということを想定するのは、これも一つの緊急事態ですよ。有事ばかりが緊急事態じゃない。そういった緊急事態に対応できないような代物を造ってしまうということなんですね、これは。
 私は、この辺野古は本当に不良品、欠陥品。それを米側へ押しつけて、これが唯一の選択肢と言っている。本当に大丈夫ですか、日米関係というふうな心配をしているということなんですけれども、この計画を進めて底なし沼にはまるほど、日米間の約束が崩れて、信頼関係が毀損されていくと私は心配している。
 辺野古の埋立ては安全保障マターと思われて、沖縄の反発も分かるけれども、仕方ないことだと思っている人が余りにも多い。しかし、後出し増額の恐ろしい無駄遣いを代執行でやってしまう。さらに、飛行場を使う米軍も嫌がっているというんですから、一体誰のための埋立工事なんでしょう。
 今、裏金問題で明らかになった自民党と業者のなれ合い、癒着構造が、辺野古に凝縮されているというふうに思われても仕方がない。防衛費倍増によって、全国で拡大している防衛関連公共工事が新たな利権の温床にならないよう、襟を正していただきたいと思います。
 日米同盟の隠れみので、米軍も喜ばない滑走路建設に巨額の税金を投入しようとしている。これは沖縄の問題ではなくて、全国の納税者に対する背任行為だと思いますけれども、このような滑走路を提供して、そして、八年、九年で終わりますよとアメリカに説明し、途中で設計変更があったら、また工期を延ばしていく。このような対応で本当に日米関係の信頼というのは維持できるのかどうか。私はそのように心配しているんですけれども、大臣、もし御所見がありましたらお聞かせください。


○木原国務大臣 配付資料でいただいたこの報道については承知をしておりますが、一米軍関係者による発言ということでございますので、そこに逐一コメントするということは差し控えたいと思いますが。
 普天間飛行場代替施設に係る現行の計画でございますが、辺野古という移設先や滑走路の長さも含めまして、先ほど説明申し上げました点も含めて、在日米軍の運用というものをしっかりと踏まえた上で、これまで累次にわたって日米間で確認をしつつ進めてきておるものでありまして、日米両政府間で合意をされ、そして、私も昨年の十月、訪米の際には、オースティン長官ともこの話題についてはしっかりと確認し、合意をした上で、現在も実現に向けて緊密に協力をしているものであります。
 引き続き、何よりも普天間飛行場の一日も早い全面返還というものを実現し、そして、基地負担軽減を図るために全力で取り組んでいく所存でございます。


○屋良委員 最後になりますけれども、官房長官、沖縄の基地負担軽減を担当されている官房長官に伺います。
 沖縄の米軍基地……


○小野寺委員長 既に予定の時間が経過しておりますが。


○屋良委員 分かりました。じゃ、一つだけ、本当に。
 沖縄県には、〇・六%でしかない、米軍基地があって、七〇%の基地が集中していることについて、本土移転を玉城デニー知事は求めているんですけれども、米軍部隊の本土移転も含めて、真の負担軽減を考える、あるいは行っていく覚悟が官房長官おありかどうか、最後に質問させていただきます。


○小野寺委員長 内閣官房長官林芳正君、端的にお願いします。


○林国務大臣 沖縄県には多くの米軍施設・区域が集中しておりまして、沖縄の皆様に大きな基地負担を担っていただいていること、これを政府は重く受け止めております。
 こうした考え方の下で、政府として、空中給油機の本土への移転や、緊急時の航空機の受入れ機能の移転、オスプレイ訓練の県外移転等を着実に進めてきておるところでございます。


○屋良委員 質問を終わります。ありがとうございました。