2025年5月30日 衆議院 安全保障委員会 屋良朝博
■トランプ政権と日本の安全保障について質問。
質問内容についての要約
トランプ政権と日本の安全保障について質問
議事録
第217回国会 衆議院 安全保障委員会 第10号 令和7年5月30日
○遠藤委員長 お疲れさまでございました。中曽根康隆君の質疑は終了いたしました。
次に、屋良朝博君。
○屋良委員 参考人の皆様、よろしくお願いいたします。立憲民主党の屋良朝博でございます。
皆様の深い分析などをお伺いしていますと、やはり、今トランプ政権を前にして、かなり不確実性のある国際情勢になってきているということを実感せざるを得ないというふうな気がしましたけれども、お話を聞いておりますと、米国側とのつき合い、日本がどれだけ主体性を持って自立した安全保障政策を築き得るのか。軍事同盟なので軍事的な側面が強いというのは致し方ないと思いますけれども、一方、中国は、ASEANとかアフリカとか中東との経済協力を今強力に進めつつある側面がありまして、中国は経済でソフト面、アメリカはハード面であるというふうな分類がもしなされるとすれば、今アメリカの中で起きている不確実性で、アメリカが国際公共財からどんどん手を引いているという現状がこれまたあるという中で、やはり私たちが今考えないといけないチャレンジは大変幅広く多様なものになっていかざるを得ないのではないかというふうな気がしております。
そこで、メアさんとマイクさん、ワシントンからの御参加、本当にありがとうございます。お二人にまず聞きたいのは、主体性が求められる、自立性が求められる日本の防衛政策、安全保障政策の中で、日本は、今後トランプ政権がもたらす国際情勢の変化に対してどのような選択肢があるのかということを教えていただきたいと思います。
○モチヅキ参考人 どうも屋良先生、非常に重要な質問をありがとうございます。
一つの選択は、今日の委員会で参考人が強調した選択が一つです。それは、できるだけアメリカとくっついて抑止力を維持するために防衛協力を進めるということ。もちろんそれは重要ですが、私が指摘したように、これは不十分だと思います。
そして、第二の選択は、中国の力が拡大、拡張したので、中国のスフィア・オブ・インフルエンスに従うという選択があると思います。僕は、それは望ましい選択ではないし、中国は非常に傲慢な要素もあるし、中国を懸念する材料は結構あります。ですから、日本の一番望ましい選択は親米自立で、この自立のところは、アメリカが国際パブリックグッズを提供しないという方向に動いているので、日本がほかのミドルパワーと連携するということですね。
それは、近隣諸国を始め、一番大事なパートナーは韓国だと思います。そして、東南アジアの諸国、特にこれからますます国力を発揮するインドネシアとの連携は重要だと思います。もちろん豪州とかニュージーランド、そうしたインポータントな諸国との連携、だから、アメリカが公共財を提供しないという方向に動いているので、日本がリーディングミドルパワーとしてほかのライクマインデッドのミドルパワーと連携するということが一番望ましい選択だと思います。
そして、今日の質疑ではいろいろ軍事的な脅威を優先的に議論されていますが、私から見れば、安全保障から考えれば、一番の脅威は気候変動だと思います。これは基本的な安全保障にも関連するんです。それに対応するためには国際協力が一番重要だと思います。
○メア参考人 歴史を見ると、何回もアメリカのの方が内向きになって、孤立主義者が増えているとかという現象があって、残念ながら、よく歴史を見ると、特に二十世紀のときに、外国が、アメリカは弱くなっているので、これがチャンスだと間違ったことはある。ドイツとか、日本もそうだったし、北朝鮮もそうだったし、イラクもそうだったし。
アメリカはまだ強い国ですから、でも、屋良先生がおっしゃったように、日本の主権が必要で、もちろん、自立するか連携するか、どっちかという問題ではないんです。両方が必要です。それは言うまでもないことですから。
私がアメリカ政府に入ったとき、二、三十年前から、大使館で、国務省でも、いつも日本の方が、主権国だから、何でアメリカを頼るだけですか、安全保障上で。自分の国の防衛能力を向上しないとならない、主権国だから、自分の責任ですから。でも、それはアメリカにとって悪いことじゃない。ある人が、防衛の面で日本が強くなったら同盟によくないという意見が昔はあった。その意見は余りないです、アメリカでは。ほとんどのアメリカ政府の人は、トランプ政権もそうだと思うけれども、日本が強くなってほしいです。実際強くなっている、防衛能力、抑止力を向上することは早く進んでいる。それをアメリカはすごく歓迎する。
でも、多分、日本人の主な質問が、じゃ、日本がこれからアメリカを頼ることができるかどうかという疑問があると思います。今はちょっと不安定な要素が、おっしゃったように、よくありますので。頼ることはできると思います。私は確信しています。
こういう歴史でめり張りがあるでしょう。でも、日米同盟はすごく熟している同盟ですから、幅広い、深い同盟ですから。第一回のトランプ政権も同じような不安があったし、でも、考えると、振り返ってみると、前のトランプ政権、日米はいろいろあったけれども、日米同盟はかなりうまく機能していた。そんなに大きい問題は出なかったし、進んでいた。
なぜかというと、アメリカの議会を見ると、日本と連携して、日米同盟を考えると、超党派な支持者が多いです。だから、トランプ政権が今、中国に集中しているけれども、中国の脅威がいろいろありますけれども、日本にとっていいことであると思うんですけれども。
日本がどういう選択肢があるかというと、完全自立してアメリカとの関係をなくす。抽象的に言えば選択肢。でも、それは現実的ではない。
でも、どの国であっても、自立、自分で自分の国を守りたい、ほかの国を頼りたくないという気持ちがあるのは当たり前のことですけれども、私の経験では、日本のリーダーの方々とアメリカのリーダーの方々、これまでの人たち、トランプも含めている、独自で中国の脅威に対処することはすごく難しい、連携する必要がある、これは変わらないと思います、トランプ政権の下で。
現実的に考えると、中国に対処する日米同盟、日韓同盟、できれば日韓の連携と、日豪連携とか東南アジアとかの連携、防衛の面だけじゃなくて、モチヅキ先生がおっしゃられている、外交の面でも経済の面でも連携協力が必要である。それが一番現実的、日本にとっていい選択肢であると思います。
○屋良委員 ありがとうございました。
モチヅキ先生、日米関係をずっと研究なさっていて、沖縄の米軍基地問題についても長く分析されて、論考されてきたというふうに承知しております。現在、沖縄で進められている名護市辺野古の代替施設建設、FRFは、滑走路が短くて、有事に使えないよというふうな海兵隊の側の不満も聞かれてきております。
先ほど小谷先生も言及なさった在日米軍の再編、海兵隊は大幅に実戦兵力を減らしてハワイやグアムやオーストラリアに分散配備しようとしている中で、不人気と私は思っているんですけれども、その政策、普天間の辺野古移設をずっと続けていくということは日米双方にとって生産的ではないというふうに考えておりまして、よりよい解決策を探ることは可能なのかということをずっと私はテーマにしてきているんですけれども、先ほどモチヅキ先生、その点も、米軍基地の負担の軽減や日米地位協定の改定を求めていくチャンスじゃないかというようなことをおっしゃっていましたので、その点について少し詳しく教えていただけますでしょうか。
○モチヅキ参考人 ありがとうございました。
私は、もう三十年前から、アメリカの海兵隊を思い切って削減できるということを強調しております。
そして、僕は、今の、普天間の移設の、FRFの辺野古で今埋立ての滑走路を建設しているんですが、それは、軍事的に見れば非常に不合理で、日本の税金の無駄遣いだと思います。そういうような施設を建設するということはすごくぜいたくで、中国のミサイルが来たら、それは全然使えない施設だと思います。
ですから、今のFRFを修正して、大きい埋立ての計画を中止して、もっとコンパクトなヘリポートみたいな、オスプレイが使用できるような施設に、限定的なものにして、そして、できるだけ早く普天間の飛行場を閉鎖状態にして、それは、一時的に担保にして、有事のときに使用できるような形で置いておくんだけれども、それを訓練に使うということは住民には非常に危険を与えているので、それをできるだけ早く閉鎖状態に変えるということ。
そして、南西諸島の防衛とか尖閣の防衛ということは、アメリカの海兵隊よりも、日本の自衛隊が責任を持ってやるということが必要だと思います。既に日本は、アンフィビアス・ラピッド・ディプロイメント・ブリゲード、水陸機動団という組織をつくりまして、それは今のところ非常に不十分ですが、非常にエフェクティブな部隊にして、そして海兵隊を削減して、そしてFRFの建設をもっとコンパクトにするということの方が、国民の税金を効率的に使うということになると思います。
○屋良委員 そろそろ時間なので、最後に感想だけ言わせてください。
先ほど黒江さんが、自衛隊の将来像を聞かれて、災害の際に自立して自己完結的に活動できるのが自衛隊であるということが一つ指摘されたということと、日本はリーディングミドルパワーになって、今の一番の脅威である気候変動など、そういった国際協力へももっと積極的に進んでいくべきじゃないかというマイク・モチヅキさんの御指摘、何か関連しているような気がして、とても印象的でございました。
小谷先生、黒江先生にも御質問をさせていただきたかったですけれども、ちょっと時間の制約でできずに、大変残念でございます。またいつか機会があれば教えてください。よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。


