那覇軍港の移転先が決まったとの新聞記事

2020年8月15日

なぜだろう。

翁長雄志前知事がまとめた建白書には全市町村長が署名した。普天間配備のオスプレイの配備撤回、普天間飛行場の即時閉鎖と県内移設断念を政府に求めた。オスプレイは海兵隊の主力輸送機だから、オスプレイがなくなれば海兵隊は運用不能で、沖縄に居られない。日本に残るなら九州などへ移転するよう、この建白書は間接的ながら訴えている。

那覇軍港は海兵隊が使用する施設なので、オスプレイ撤去を求めながら、那覇軍港の移転作業を進めるのは矛盾である。ちなみに、海兵隊が沖縄から仮に九州へ移転しても、沖縄に残る基地(嘉手納飛行場、嘉手納弾薬庫)は、本土にある米軍基地をすべて合わせても大きいので、沖縄の負担はなお大きい。

個別施設を右から左へ、ではなくて、それを使っている部隊を移動させればいいことだ。

政府は「地理的優位性」などと前近代的な用語を使っているけど、世界を股に掛けるアメリカ海兵隊が「沖縄でなくてはお仕事できません」と駄々こねるわけない。要するに、米軍は日本防衛のため駐留して欲しいけど、負担は沖縄ね、という無責任な腐れ根性が原因。英語の「NIMBY (Not In My Back Yard)」です。それを認めるとあんまり格好悪いから、抑止力とか地理的優位性とか安保といった意味不明な言葉を並べているに過ぎない。

沖縄はそんなことに付き合う必要はまったくなく、浦添の美しい景観を守る選択をすべきだ。浦添のあの地域の海岸線は、ハワイのワイキキビーチとほぼ同じ長さの浜である。その海岸に軍港は似合わないでしょう。なぜ優れた観光地として未来を拓こうとしないのだろうか。