2024年4月2日 衆議院 安全保障委員会 屋良朝博

■うるま市自衛隊訓練場整備計画ついて

質問内容についての要約

うるま市自衛隊訓練場整備計画ついて質問。

議事録

 第213回国会 衆議院 安全保障委員会 第4号 令和6年4月2日

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○屋良委員 おはようございます。立憲民主党、屋良朝博でございます。
 委員長、大臣、よろしくお願いいたします。
 私、今日は、私の地元のうるま市というところで今計画が進められようとしている自衛隊の訓練場計画についてお話をさせていただきたいと思っておりますけれども、大臣も御承知のとおり、大変反発が強まっておりまして、知事は中止を求めているし、県議会も自公を含めて全会一致で白紙撤回を求め、地元うるま市議会も計画断念を求め、決議しております。
 先月の二十日には、うるま市の会館で、もう立ち見も出るほど、千三百人ぐらいが詰めかけて、この反対、断念を求める市民集会が開かれておりまして、そこには地元の市長さんも出席されまして、その決議に加わったという状況でございます。
 自民党の沖縄県連も白紙撤回を求めて大臣と面会されたということでありまして、厳しい状況であることはもう当然大臣も十分御承知だと思います。
 防衛省は、今現在、土地は取得するけれども、今後、土地の使い方の検討をしていくというふうなことを公言なさっていますけれども、それに間違いないでしょうか。大臣、お願いします。


○木原国務大臣 沖縄県うるま市における陸上自衛隊の訓練場の整備につきましては、ゴルフ場の跡地の取得につきましては、地元から大変厳しい御意見をいただいているものと認識をしております。防衛省としては、この点をしっかりと受け止めなければならないと考えています。
 その上で、本事業については、現時点においては計画を白紙にするという考えはまだありませんが、住民生活との関係を重視するとの観点から、取得後の土地の利用の在り方について、現在改めて検討を行っているところであります。


○屋良委員 その検討の中で、訓練場、それは除外されるんでしょうか。改めて、大臣、お願いします。


○木原国務大臣 今回の土地取得は、これは訓練上の所要を達成するための行為であります。一五旅団が師団への改編及びその一環として一個普通科連隊の新編をいたしますので、そのための訓練場が不足するということ、あるいは、物資の集積等も含めて土地利用の所要が発生すること、これには変わりがございませんので、防衛省としては、そのための用地を取得したい、そのように考えております。


○屋良委員 大臣も御承知のとおり、今、焦点は、その旧ゴルフ場の跡地を訓練場として使うかどうか。その計画は地元で物すごい反発を受けていて、それで訓練所要がどうやって満たせるかということを考えたら、どんどんどんどん訓練の内容を縮小していかざるを得なかった。それで、今、その使い方を新たに見直そうというふうな段でございますから、これは、訓練場としてまだ使うかもしれませんよというふうな選択肢を残すかどうかという、私はそこの二者択一かなと思っておりまして、このまま何かペンディングしたような感じでやっていると、私は、防衛省、どうするのかなというか、信頼関係が地元とどんどんどんどん壊れていくような感じがするんですね。
 いろいろな、市町村議会では、当該市以外にも議会で反対決議が出るなど、どんどんどんどん県内に広がっているというようなことで、地元の意向確認が本当にどんな形でなされたのかということを私たちは点検しておかないと、今後、新たな自衛隊の、全国ですよ、四十三兆円使われるわけですから。先ほども、自衛官の募集で、国民との信頼がまず基礎にないといけないというような局長の御答弁もありましたけれども、それを損なってしまったら、自衛官が、自衛隊のイメージを壊しちゃうと集まらなくなってしまうというのは、大変、日本の防衛政策上、問題があるのかなというふうな気がするんですけれども。
 それで、同意の取付け方はどのようになさったのか。聞くところによると、昨年の十二月に、予算がついた後にうるま市と沖縄県に説明しましたということなんですけれども、本当に、同意を地元から取り付けたという確認があったので予算を取ったというふうな流れだったんでしょうか。お願いします。


○大和政府参考人 お答え申し上げます。
 沖縄県うるま市における陸自訓練場の整備につきましては、省内における所要の調整、検討を進めてきた結果として、昨年十二月から地元の皆様に対する御説明や情報提供を行ってきているものであります。
 こうした地元への御説明なども含め、防衛省においては地元調整のプロセスを進めてきているところでありまして、うるま市を始めとする地元との間においては、平素から緊密に連携し、様々なレベルで様々なやり取りをしております。
 いつ、どのような形でというような点につきましては、相手方との関係もあることから、詳しくお答えすることが難しいことを御理解いただければと思います。


○屋良委員 局長、全然私は難しいことを聞いているような気がしないんですね。地元の同意は取れたのかどうかということなんですよ。地元の同意があるので予算を獲得しましたというのであれば分かります。でも、地元の同意が曖昧なまま予算を取った、その予算を今からどうするんだと。もう新年度が始まって、今、土地の使い方を検討します、これは何か、行政の流れとして本当にこれでいいのかというふうな思いがするんですけれども。
 改めて聞きます。地元の同意は取り付けたんでしょうか。お答えください。


○大和政府参考人 本事業に限らず、自衛隊施設や在日米軍基地の安定的な運用、部隊活動の円滑な実施に当たっては、地元の協力が不可欠であります。
 したがって、防衛省といたしましては、地元の皆様に対する丁寧な御説明や適切な情報提供を行っていくことが大変重要であると考えておりまして、これまでもそのように取り組んできたところであります。
 先ほど大臣からもお答えいたしましたが、今、取得後の利用の在り方について、地元の皆様のいろいろな厳しい反応も踏まえつつ、検討しているというところでございます。


○屋良委員 なぜ言葉が通じないのかなと不思議なんですけれども。
 私の質問は、委員長、同意を得てから予算を取ったんですか、それとも、それなしに予算だけを獲得したんですかという非常に単純な質問で、同意なしにその計画を進めているんだったらこれはちょっと違うんじゃないのという、非常に、まあ、そんな難しい話じゃないと思うんですけれども。
 ちゃんと答えていただきたいんですけれども、お願いします。


○大和政府参考人 繰り返しになって大変恐縮なのでございますが、防衛省としては、これまでも、できる限り丁寧な説明それから情報提供を行ってくるように努めてきたところであります。それについては今後ともそのように努めていきたいということであります。


○小泉委員長 屋良さん。屋良さん、もう一度お願いします。(発言する者あり)
 木原防衛大臣。


○木原国務大臣 予算が成立したのは、この間、参議院で成立しましたので、不動産取得費といいますけれども、令和六年度予算の防衛省の予算の中に不動産取得費、そこで初めて予算を獲得したということになります。
 一方で、今回のゴルフ場取得については、まず、去年の十二月の時点でうるま市さんに説明に上がって、そこから、いわゆる地元自治体への説明というのが始まって、うるま市市長の御指示によって、地元の住民への説明をということでしたので、その後、二月に住民説明会も行った。そういうプロセスを経て、一方で、その時点でまだ予算はございませんが、予算が成立したのはあくまでもこの間の三月でございまして、並行しながらやってきたということになります。
 ですから、地元の合意が取れたかどうかというのは、取れないまま並行してやってきた、そして今に至るという状況でございます。


○屋良委員 これは、大臣、やはり地元の意向、それは大事なんじゃないですか。地元の意向がぐらぐらぐらぐらしていたので今の状況になっておるということだと思いますよ。だって、今回、地元で、今回の計画の断念を求める市民会議というのが立ち上がったんですよ。その代表が自民党の元県議さんですよ、地元の有力紙。これは、収拾がつかなくなっちゃっているということです。その事態を、訓練場ですよ、そのことで地元の理解が離れちゃうと、日本の防衛は大丈夫かということにならないですか。正面装備を一生懸命やるけれども、足下が、住民の理解が得られないままの防衛政策なんてあり得ないと私は思っていますよ。
 そういうことだと思うので、今回のこのてんまつについては、全くよく分からない。あり得ないでしょう。地元の同意を得ながら予算を獲得して、だって、予算要求なんていうのは八月の概算要求でやるわけですから。十二月に初めて地元の意向を確認して、今年の二月に住民説明会をやって、もう三月末には予算成立ですよ。このプロセスというのがおかしいなと言っているんですね。だから、それが明らかにならないと、これはもうみんなブラックボックスの中に入って、日本の防衛政策はおかしな状況になってくるんじゃないかというふうに思っています。
 これは続けても堂々巡りだと思うのでここで終わりますけれども、この訓練場、皆さんは、問題があるから使い方を新たに考えようというふうなことになったと思うんですね。このタイミングで大臣が訓練場としての使用を排除をする、あるいは、そのまま残しておいて、政治的なタイミングで、あるいは状況を見極めてもう一度復活させるんだよというのでは、大変大きな違い、もう天と地ぐらいの違いが生じるんですね。
 大臣、そこをなぜ排除すると言えないのかということを、理由をちょっと明確にしていただきたいんですが、お願いします。


○木原国務大臣 先ほども申し上げましたが、防衛省・自衛隊が取得する土地というのは、目的といいますか用途を決めて取得をしなければいけません。ですので、今回の場合は訓練場という目的で取得をするわけでございまして、その中で、訓練場を取得する、しかしながら、今回、ゴルフ場跡地ということで、ある意味、私も現地を見ましたけれども、細長い敷地の中で、地元の住民の方々が御懸念されている、いわゆる教育施設の近くにおいては、その部分においては、これは自民党の沖縄県連さんからも指摘がありましたけれども、交流の場としてできないか、つまり、教育施設の近くは地元の方もお使いいただけるような場にして、そこは訓練場としてではなくて、その部分はある意味地元の皆さん方に開放しつつ、しかし、それ以外の部分は訓練場として使わせていただけないかなどの新たな検討を今行っているところであり、今のは一つの案でございますけれども、再度、今検討しておりますので、それをまた御提示させていただいて、そしてまた御意見をいただきたい。今、そういうプロセスの中でまた再提示させていただこうというふうに考えております。


○屋良委員 御答弁ありがとうございます。
 これは、訓練内容を聞かせていただくと、どうも何か腑に落ちないのは、空包は使いません、鳴り物は使いません、ヘリも使いません、煙が出るのも使いません、これは何をするんですかと聞いたんですよ。そうしたら、ライフルを構える、歩兵なのでそういった訓練をしますと言うんですね。これはどこでもできる、那覇の駐屯地でもできるんじゃないですかということで、新しく何でこれは必要になるんですかと。どうもやり方、説明の仕方がちぐはぐで全く分からない。
 これは何でこの訓練の内容を変えたかというと、やはりそこは適していない、調べれば調べるほど、ちょっと工夫しないといけないなというふうな状態になったということを防衛省さんが確認されたということだとしか思えないですね。だから、これは何で那覇駐屯地でできないのかというのをちょっと説明いただければお願いしたいんですけれども。


○中西政府参考人 お答えいたします。
 先ほど御指摘のありました訓練内容、災害対処ですとかライフルを構えるですとか、そういうような空包を使わないような訓練内容、こちらを説明した内容、二月十一日に実施した説明会時点で想定しておりました訓練につきましては、那覇駐屯地に隣接する訓練場、那覇訓練場におきましても実施可能な内容でございますけれども、いずれにせよ、令和九年度までに陸上自衛隊の第一五旅団を師団化する計画であるということから、これに伴いまして訓練場等が不足することには変わりなく、防衛省としてはそのための用地を取得したいという考えでございます。


○屋良委員 那覇でもできるという答弁をいただいたので、それはちょっとそこを追求していただきたいなというような気がするんですけれども。
 ちょっと目先を変えて、なぜ普通科連隊二個なのということなんですよ。普通科連隊というのは陸上部隊でしょう、歩兵部隊でしょう。これはどういう有事を想定して沖縄で地上戦を戦うのかというのが全く分からなくて。これは、ずっとひもといて歴史を振り返ってみると、島は守れないというのが常識じゃないですか。何で普通科連隊二つ、地上戦を想定して。どこかが攻めてくるんでしょうか。先ほど、冒頭、北朝鮮がミサイルを発射しましたというふうな報告をいただいたばかりですけれども、これは普通科連隊、あり得ないんじゃないのかと。どのような事態を想定して、誰を迎え撃つのか、そのための普通科連隊ですよという説明が全くないんですよ。
 これは効率的なんでしょうか、今の防衛政策、四十三兆円。どうなんでしょうか。防衛省、ちょっとその辺の認識を伺いたいです。


○青柳政府参考人 お答えいたします。
 現在、第一五旅団の定員というのは約二千名ほどおります。これは全国の師団、旅団の中で最も小さい規模ということになります。一五旅団が担任している沖縄県は、沖縄本島のほか、多数の島嶼部を含む広大な領域、そして九州以北からの展開にも時間がかかるという地理的特性を有しております。これらの防衛に万全を期するために、二個目の普通科連隊を新編いたしまして、一五旅団を師団に改編する必要があると考えてございます。
 このような南西地域の防衛体制の強化には、力による一方的な現状変更やその試みを決して許容しないと我が国の意思を示し、我が国の対処力、抑止力を高めることで我が国への武力攻撃そのものの可能性を低下させるというものでございまして、沖縄県民の地域の皆様はもとより、国民の皆様の安全につながるものであると考えてございます。これによりまして、南西地域における大規模災害や国民保護における対応の迅速化にもつながるものと考えております。


○屋良委員 ここは余り突っ込んでも建設的な議論がなかなか難しいかなという気は若干するんですけれども、人道支援とか災害救援とかで役に立つというところはもしかしたらあるかもしれないなと思いつつ、ミサイルの時代、それをどうやって止めるかということの抑止力に果たしてなり得るのか。抑止力というのは相手のある話だから、相手が抑止されていなければ、それを確認する手だてがないのが抑止力でしょう。だから、二個旅団を置いて、それが抑止力になりますというその説明がとても論理的じゃないなとずっと感じている次第でございますが、もうそこはちょっとおいておいて。
 次の質問に移りますけれども、オスプレイ、これは飛行再開をやっているんですけれども、飛行再開を最終的に判断したのは大臣御自身でよろしいでしょうか。


○木原国務大臣 今回の事故でございますけれども、装備部門や陸上自衛隊も同機種を持っておりますので、防衛省内の各部署が部局横断的に連携して、オスプレイの設計や技術に係る安全性について責任を有する米軍の専門部局であるNAVAIRというのがございまして、そこと毎週VTCを行ってきたところであります。
 運用停止措置の解除に当たっては、陸上自衛隊のオスプレイを運用する部隊の隊長であるとかパイロット、整備要員、そして装備庁の航空機の技術者がNAVAIRと直接意見交換を行いながら、事故の状況、原因、そして極めて詳細な情報提供を受けました。そして、今回、整備や搭乗員の手順の更新といった様々な各種の安全対策措置、これをNAVAIRが一元的に作成をしました。これが我々日本との窓口にもなりますが、そして、米軍の各軍及び陸上自衛隊に対して技術指令書等を発出することにより、統一的にそれが履行されるということになったことでございます。
 そうした意味でいうと、今委員の質問に答えるとすると、米軍が行った原因分析や安全対策を踏まえて、米軍オスプレイの飛行再開は米軍が決めたことであり、陸上自衛隊のオスプレイの飛行再開は私が判断をしたものでございます。


○屋良委員 今後墜落したらどうするんだというふうな仮の話はできないのは分かっておりますけれども、過去を振り返ると、落ちて、原因究明して、安全確保ができました、安全確認ができました、飛ばしました、また落ちました、これをずっと繰り返しているんですよね。
 今回、安全確認が十分できました、それで自衛隊の場合は飛行再開を大臣が判断されたというふうに言いますけれども、安全確認が十分だというその根拠を国民に説明しないと、私はちょっと、全国飛び回っているんですから、私たちの頭の上を、これはちょっとお知らせした方がいいんじゃないですか。どうでしょう、大臣。皆さんに、原因はこうです、こういうふうな対処をしました、だから大丈夫ですよ、もう墜落しませんというようなことをやはり説明された方がいいと思います。どうでしょう、大臣。


○木原国務大臣 今般の事故を受けた日米間の確認作業というのを行っておりましたが、その中で、いわゆる、これまでもいろいろな事故がございましたが、今回については前例のないレベルで技術情報に関するやり取りというのがなされた、そういう実感であります。
 防衛省としては、航空機の機能を発揮させるために必要な構成品の中において、特定の部品の不具合が発生したことが事故の原因であるという認識に至ったわけであります。事故の原因が特定されましたので、当該事故に対応した各種安全対策を講じることができるわけであります。同種の不具合による事故を予防、対処することができるというふうに確信をしたところであります。
 オスプレイの運用再開に当たっては、飛行の安全確保が最優先であるということは、改めて、私とオースティン国防長官の間でも電話会談を行いまして、日米間のあらゆるレベルでまた確認をしました。大臣間でも確認をいたしました。
 そういったことを踏まえて、今後とも、引き続き日米間で協力しながら、安全確保に万全を期しながら、運用再開に向けてプロセスを踏んでいきたいと考えております。


○屋良委員 大臣、少なくとも、大臣が最終的に判断される。当然、専門家の方々がいろいろ調べてみるわけですよね。最終的に、その情報を基に大臣は判断されると思いますけれども、これはどのぐらいの範囲の人が、そのプロセスなり、その検討結果を知っているかどうかということも、大臣をトップに一部の人しか知りませんよというので本当にいいんでしょうか。これは、例えば与党の先生方はその情報を共有されているとか、ある一定の範囲で国民の負託を受けている人たちが情報を得て、それで、確認して、じゃ、やりましょうというふうなプロセスも、やはりこのオスプレイに関してはやっていった方がいいんじゃないですかね。
 ハードクラッチの問題があるとか、今回の墜落では、新聞を読んでみると、凍結回避をする装置が問題だったんじゃないかとか、いろいろ報道もされているわけです。だから、オスプレイについて、今回、三か月も運用停止になったということは、僕は海兵隊はとても頭が痛かっただろうなと思いますよ。だって、オスプレイがなければ彼らは運用できないから。
 そうすると、抑止力とかと言っているけれども、その三か月の間、どうやってその空白を埋めていたのか、これもまた問われるんですけれども。それは無事に過ぎたからよかったけれども、こんな何か緊迫感のないような中で、何となく、大丈夫です、飛ばします、またいつかもしかしたら落ちるかもしれませんねというふうな、みんな何も知らない、知らされない中で運用しているというのは、私は余り健全じゃないということをちょっと申し上げて、このトピックはもう終わりにしたいんですけれども。やはり、みんなが分かるようなプロセスでやっていただきたいなというふうな気がします。
 今度は、米軍の問題によって生じた被害の賠償、これを外務省、防衛省、両方にお伺いしたいんですけれども、基地の飛行場の周辺では、騒音訴訟というのが各地で、いろいろなところで起こっていて、大体、賠償金が確定してくるわけですけれども、これまでに日本政府が肩代わりした賠償額、この総額を教えてください。


○中嶋政府参考人 在日米軍基地に係る航空機騒音訴訟において、これまでに防衛省が原告に支払いました損害賠償額の総額は約七百四億円になります。


○屋良委員 これは裁判で確定した賠償金総額ですか、あるいは一部ですか。


○中嶋政府参考人 先ほど申し上げましたけれども、これまでに支払いました損害賠償額の総額でございます。


○屋良委員 裁判で確定した損害額だということでよろしいんですかね。
 ここで私が取り上げたいのは、この支出、損害額全額を日本側が持つこと、支出することが適切なのかどうかということなんですけれども、大臣、御答弁をお願いします。


○上川国務大臣 米軍人等によります公務上の事故に伴う補償につきましては、日米の地位協定第十八条五及び民事特別法の規定によりまして、我が国が賠償責任を負うこととされており、その後、米国政府から米国の分担額の償還を受けることとされております。
 米軍航空機の騒音に係る訴訟の判決を受けまして、今申し上げた規定に従いまして、防衛省から適切に支払いが行われているものと承知をしております。


○屋良委員 大臣、御説明いただいたとおり、第十八条に基づくというふうなことで一般的に理解されておりますけれども、このうち、その十八条を当てはめた場合、先ほどおっしゃった七百四億円の中で、本来は米側が負担すべき賠償額は幾らでしょうか。


○大和政府参考人 お答え申し上げます。
 在日米軍の飛行場における航空機による騒音に係る訴訟に係る損害賠償金について、日本政府は、米国政府に対してその分担を要請するとの立場で協議を重ねてきたところであります。
 他方、米国政府との分担の在り方については、日本政府と米国政府の立場が異なっていることから、現時点において妥結を見ておらず、お尋ねについてお答えすることは困難であることを御理解いただければと思います。


○屋良委員 十八条では、二五パー、七五パーで、額の割合というのは決まっていたんじゃないでしょうか。それに基づく本来アメリカ側が負担しないといけない額というのは幾らですかと聞いただけですけれども、御答弁お願いします。


○大和政府参考人 分担の在り方については、日本政府と米国政府の立場が異なっていることから、現時点において妥結を見ておらず、米国政府が分担すべき金額を予断するものではありませんが、仮に、機械的に算出すると、日本政府が支払った損害賠償金の七五%を米国政府が負担する場合は約五百二十八億円、五〇%を米国政府が負担する場合は約三百五十二億円というふうになります。


○小泉委員長 質問の時間が来ていますので、簡潔にお願いします。


○屋良委員 では、大臣、最後に、この支出、アメリカ側に求めた経緯はあるでしょうか。お願いします。


○上川国務大臣 米側とは様々な協議を行っているところでありますが、この件につきまして、米側に支払いを求めてきております。
 米軍機におきましての騒音に係る訴訟、これは損害賠償金の日米地位協定に基づきます分担の在り方ということでございますが、今答弁のとおり、日本政府の立場と米国政府の立場が異なっているということから、妥結を見ていないというのが状況でございます。


○屋良委員 どうもありがとうございました。